物色の痕跡なく夫婦ら就寝の2階へ直行か 茨城家族殺傷
毎日新聞
2019/09/25 20:55
家族が殺傷された住宅(中央奥)。樹木に囲まれ、その周りには農地などが広がる=茨城県境町で2019年9月23日午後0時38分、本社ヘリから北山夏帆撮影© 毎日新聞 家族が殺傷された住宅(中央奥)。樹木に囲まれ、その周りには農地などが広がる=茨城県境町で2019年9月23日午後0時38分、本社ヘリから北山夏帆撮影
茨城県境町の民家で住人の会社員、小林光則さん(48)と妻のパート従業員、美和さん(50)が殺害され、子どもも重軽傷を負った事件で、小林さん方の1階には犯人が立ち入った形跡がほとんどないことが、捜査関係者への取材で判明した。犯人は1階から侵入して2階に直接向かった可能性が高く、県警は当初から殺害が目的だったとみて調べている。
また、美和さんが2階寝室から110番した際、「痛い」と連呼していたことも判明した。取り乱した様子だったといい、県警は美和さんが通報中にも襲われていた可能性があるとみている。
捜査関係者によると、小林さん方に物色された痕跡はなく、事件後になくなっているものも確認されていない。特に1階には、犯人が立ち入った形跡も見られないという。
事件は23日午前0時40分ごろ発生。犯人は無施錠の場所から侵入したとみられ、夫婦は2階寝室で就寝中に襲われた。光則さんは胸、美和さんは首を刺されたことによる失血死で、2人とも上半身を多数刺され、手などに抵抗した際にできる傷があった。
同じ2階の子ども部屋で寝ていた中学1年の長男(13)は刃物で切られ、小学6年の次女(11)はスプレーのようなものを噴射された。一方、1階の自室にいた大学3年の長女(21)にけがはなく「寝ていて気づかなかった」と話している。【韮澤琴音、小林杏花】