名古屋地検、不起訴男性を一転起訴 異例の検察審議決前 高校生死亡事故
毎日新聞
2019/06/19 03:00
裁判所=ゲッティ© 毎日新聞 裁判所=ゲッティ
昨年4月に名古屋市守山区の会社員、武下正憲氏(44)運転の乗用車が、自転車で走行中の同市緑区の男子高校生(当時18歳)と衝突して死亡させた事故で、名古屋地検が武下氏を一度不起訴にした後、名古屋区検が自動車運転処罰法違反(過失致死)で略式起訴したことが18日、地検などへの取材で分かった。不起訴後、遺族が検察審査会に申し立てた審査の議決が出る前に不起訴を覆すのは異例とみられる。
地検などによると、武下氏は昨年4月2日午後8時半ごろ、名古屋市守山区の市道交差点で車を運転中、自転車で走行中の男子高校生と衝突し、同法違反(過失致傷)の疑いで現行犯逮捕された。男子高校生は病院に運ばれたが、約9時間後に死亡した。
地検は昨年10月、武下氏を不起訴処分としたが、今年3月、遺族が処分を不服として名古屋第2検察審査会に審査を申し立てた。これを受け、議決が出る前に地検が再捜査。今年5月28日付で略式起訴し、6月5日付で名古屋簡裁から罰金100万円の略式命令が出たという。略式起訴を受けて審査は打ち切られた。
名古屋地検は「申し立て後、再度検討した結果、総合的に判断した」としている。【川瀬慎一朗】