尾道ラーメン老舗「朱華園」休業 店主不調で再開未定、惜しむファン行列
毎日新聞
2019/06/18 17:25
魚介スープを使った朱華園のラーメン=広島県尾道市十四日元町で2016年11月20日午後4時2分、渕脇直樹撮影© 毎日新聞 魚介スープを使った朱華園のラーメン=広島県尾道市十四日元町で2016年11月20日午後4時2分、渕脇直樹撮影
広島県尾道市十四日(とよひ)元町にある創業72年の人気ラーメン店「朱華園(しゅうかえん)」が、経営する檀上俊博さん(68)の健康上の理由で19日から休業する。県外からもファンが訪れる有名店だが、再び店を開ける時期は未定で、18日に舌鼓を打った常連客らからは早期再開を願う声が上がった。
朱華園の店名は檀上さんの父、朱阿俊さんにちなむ。朱さんは終戦間もない1947年に屋台を始め、84年に現在の場所に店を構えた。つゆは小魚だしのしょうゆ味で、豚の背脂にチャーシューやメンマ、ネギと具はシンプル。味わい深いだしが評判となり、尾道グルメを代表する店の一つとなった。
地元では「朱さん」と呼ばれる名店を継いだ檀上さんだったが、昨年夏から体調を崩しがちに。営業を再開するかは体調次第といい「お客さんには申し訳ないが、やむを得ない。理解してもらいたい」と話す。店頭に翌日からの休業を知らせる紙が貼られた18日の昼食時には、長年のファンらが足を運んだ。
東広島市八本松の会社員、佐々木勝年さん(55)は「魚介系のだしが絶品で、30年前から多い頃は毎月来ていた。早期再開をお願いしたい」。広島県福山市の男性会社員(40)は「尾道ラーメンといえばここ。チャンスがあればまた食べたい」と話した。支店の松永店は18日を最後に閉店するといい、老舗の味を求める人たちの列は絶えなかった。【渕脇直樹】