江戸時代から連綿と受け継がれる伝統の船神事「ホーランエンヤ」が18日、松江市で10年ぶりに始まった。この日は、同市殿町の城山稲荷神社の御神霊をみこし船に乗せ、同市東出雲町の阿太加夜(あだかや)神社に運ぶ「渡御祭」。約100隻に及ぶ船行列の花形「櫂伝馬船(かいでんません)」では華麗な踊りが披露され、14万人の観客は壮大な歴史絵巻に酔いしれた。
午前9時25分ごろ、神職らが城山稲荷神社から御神霊を運び出し、陸路を約40分。午前10時過ぎに大橋川にあるみこし船に乗せられると、この日のために、約半年かけて練習してきた五大地の人々が乗り組む船行列が動き出した。
「ホーオーエンヤ ホーランエーエ ヨヤサノサ エーララノランラ」
櫂伝馬船の乗組員が唄(うた)う声が、大橋川に響き渡った。午前10時20分ごろ、五大地を構成する地区の一つ大海崎地区を先頭に、宍道湖大橋南側に集結していた五大地の櫂伝馬船が続々と出発した。