福井県の男性僧侶が、僧衣で運転したことを理由に県警に交通反則切符(青切符)を切られた問題が、波紋を広げている。摘発に反発する全国の僧侶らが、僧衣姿で大道芸や縄跳びなどを披露する動画を「#僧衣でできるもん」とのハッシュタグ(検索用ワード)付きで、SNSに次々と投稿。海外でも報道され、お坊さんたちのユーモア交じりの抗議活動が海を越えて拡散し続けている。
「お坊さんの衣(ころも)は足もちゃんと動きますよ」。香川県丸亀市の善照寺の三原俊亮副住職(33)は昨年12月31日、こんなメッセージを添え、僧衣姿で複数のクラブ(こん棒)を手で投げ回したり、足の裏ではね上げたりするジャグリングの動画をツイッターに投稿した。
この問題では、僧衣で運転していた40歳代の男性僧侶が昨年9月、「運転に支障がある衣服」での運転を禁じた福井県規則に違反したとして摘発された。
昨年末の読売新聞の記事で問題を知った三原副住職は、自身も僧衣で運転することから「これでは檀家(だんか)回りができない」と、僧衣でも支障なく動けることを特技のジャグリングで示すことにしたという。