保護された犬や猫の譲渡センターが熊本県内で初めて開設される。関東の動物愛護関係者らが支援し、熊本の動物愛護団体が共同運営。どこにでも運べて冷暖房も完備しているトレーラーハウスを使って各地で譲渡会を開くほか、譲渡した犬のしつけ教室や譲渡希望者との面談、保護猫の猫カフェなど幅広い活用を検討している。
2016年の熊本地震後、首都圏の動物愛護関係者らが熊本を訪ねたのが開設のきっかけだった。保護された犬猫であふれた官民の収容施設を目の当たりにし、奮闘する熊本の動物愛護関係者を支援するプロジェクト「ジョートフル熊本」をスタートさせた。
昨年4月から県内で月1度の譲渡会を始め、11月の譲渡会では長さ8メートルのトレーラーハウスを借りた。移動可能で雨を気にすることもなく、暑さ寒さに弱い猫にも優しいトレーラーハウスでの譲渡会はスタッフにも来場者にも大好評だった。
そこで、一回り大きい長さ11メートルのトレーラーハウスを買って、熊本の動物愛護団体などに常設の譲渡センターとして使ってもらう案が浮上。今年5月にインターネットのクラウドファンディングで資金を募り、目標の200万円を上回る約250万円が集まったため実現が決まった。
トレーラーハウスは今月16日正午から熊本市中央区の県庁プロムナードである譲渡会の会場になった後、同県の御船町など四つの候補地の中から常駐場所を決め内部を改装して譲渡センターになる。
鹿児島県ではNPO法人「犬猫と共生できる社会をめざす会」やボランティアグループ「わんにゃんハート」などが譲渡会を開催。宮崎県では「みやざき動物愛護センター」(宮崎市)で毎週日曜に譲渡会が開かれている。【福岡賢正】