「こどもの日」の5日、広島市中区の広島護国神社で、子供の健やかな成長を祈願する恒例の神事「広島泣き相撲」があり、境内は県内外から集まった赤ちゃんの元気な泣き声と家族らの声援に包まれた。
「泣く子は育つ」のことわざや、赤ちゃんの泣き声は「邪気を払い福を招く」と言われることから、同神社などでつくる実行委員会が平成18年から開催。今年も定員いっぱいの900人の参加希望が寄せられた。
出場したのは、生後6カ月から1歳半の赤ちゃんで、化粧まわしに法被、紅白の鉢巻き姿で顔をつきあわせ、先に泣いた方が勝ち。特設の土俵に上がる前から泣き出す子もいれば、行司の「のこった、のこった」の必死のかけ声にも互いに「しらんぷり」や笑顔をみせる赤ちゃんも。ユニークな「行司の負け」で決着すると、観客から大きな笑い声が上がった。
広島市東区から長女、紗世ちゃん(1)と参加した父の太田裕介さん(28)は「最初からずっと泣いてくれた。伝統ある神事に参加できてよかった」。次男の銀二郎ちゃん(1)と参加した東広島市の木山聖子さん(38)は「よく泣いてくれていい記念になった。すくすくと元気に育ってくれればと思います」と喜んでいた。