カタルーニャ:警官の暴力に反発、抗議拡大
毎日新聞
51 分前
29.10.03.
【バルセロナ(スペイン北東部)賀有勇、アムステルダム八田浩輔】スペイン・カタルーニャ自治州の独立を問う住民投票で、警察官らによって投票所から排除された住民らに多数のけが人が出たことを受け、州都バルセロナなどでは国家警察の警察署などに多くの若者らが詰めかけて激しい抗議が続いている。
住民投票を巡っては、中央政府が投票を阻止するために全国各地から国家警察官と憲兵計1万人を動員。投票箱を押収したりする際に住民らともみ合いになり、州政府によると2日時点でけが人は893人に上った。
住民らを警棒で激しく殴りつける映像がSNSで拡散されたことから、各地に反発が広がった。
バルセロナ中心部にある国家警察の警察署前には、2日夕方から多くの若者らが押しかけ、警察官を前に「占領軍は出て行け」などと叫び声が上がった。抗議活動は3日未明になっても続いた。投票所の運営を担当していたという独立賛成派の大学生、パブロ・パルタベイアさん(18)は「暴力的になるとは思ったが、まさかあそこまでとは」と憤りを隠さなかった。
抗議集会は、憲兵の宿泊先前でも相次いだ。自治州のプチデモン州首相は2日の記者会見で、緊張の高まりを受け、増派されている国家警察官と憲兵の州内からの撤収を求めた。
激しい抗議が続くバルセロナ=AP© 毎日新聞 激しい抗議が続くバルセロナ=AP
一方、「スペインの内政問題」として干渉を避けていた欧州連合(EU)では、住民投票が憲法違反で無効だとするスペインのラホイ首相の姿勢を支持しつつ、平和的な解決を求める声が上がった。
2日、ラホイ氏と電話協議したトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、ツイッターで違憲だとするラホイ氏の主張を「共有した」とする一方、「これ以上の武力の使用と拡大を避ける道を模索するよう求めた」と述べた。また、欧州議会は同日、週内にカタルーニャ問題を緊急討議することを決めた。プチデモン氏は、EUを念頭に独立問題での国際社会の仲介を求めている。