ズワイガニ:価格高騰にため息 民宿経営者「手が出ない」
毎日新聞
19 時間前
29.01.21.
今年は高くてとても手が出ない--。北陸の冬の味覚、ズワイガニの価格高騰で、福井県内の民宿経営者からため息が聞かれる。今シーズンのズワイガニ漁は昨年11月6日に解禁された。初競りでは、過去最高となる1匹37万円の値が付いたが、その後も高値が続く。福井市中央卸売市場の先月の速報値では、国内産の値段は過去5年の平均より約40%も高い1キロ約7500円となっている。
小浜市阿納は50軒もの民宿が軒を連ねる。この時期の宿泊客が楽しみにしているものの一つが、日本海の冬の味覚だ。ズワイガニはその代表格になる。
しかし、今年はズワイガニの値段が高騰。数十年続く民宿の男性経営者は「県内産は元々高いが今年は更に高くなり、他県産も高くてとても手が出ない」と明かす。例年、ズワイガニをメニューに加えているこの民宿も今年は一度もズワイガニ料理を提供していない。
小浜市内の魚市場に入荷された北海道・稚内産のズワイガニ=福井県小浜市川崎2の小浜丸海魚市場で2017年1月19日、高橋一隆撮影© 毎日新聞 小浜市内の魚市場に入荷された北海道・稚内産のズワイガニ=福井県小浜市川崎2の小浜丸海魚市場で…
客から「カニは出ないの?」と聞かれることもあり、「何とか提供できるように努力したいのだが」と話す。
県内産だけでなく、北海道産や山陰産などのズワイガニを扱う小浜市川崎2の小浜丸海魚市場鮮魚部の中岡広明さん(57)は「気温にも左右されるが、需要が減る3月には価格も落ち着くのではないか」とみている。ズワイガニ料理の提供を考えている民宿経営者にとっては、もうしばらく厳しい状況が続きそうだ。【高橋一隆】