結局、ほころびを繕うことはできなかった。14日、今年12月31日での解散を発表したアイドルグループ、SMAP。デビューから25年。今年1月に表面化した解散危機はいったんは収束したかにみえたが、深くで亀裂は広がっていた。国民的グループの解散による損失は計り知れない。
13日にネットニュースなどで解散情報が流れると、ファンは騒然。そして14日未明、ジャニーズ事務所がFAXで発表した。中居正広(43)、木村拓哉(43)、稲垣吾郎(42)、草なぎ剛(42)、香取慎吾(39)の5人は事務所に残留し、ソロで活動する。
中居は14日、キャスターを務めるTBSのリオ五輪中継に出演したが、解散については触れなかった。「中居は解散までは考えていなかった。ニュートラルの立場だったが、木村と他のメンバーとのあつれきのなかで板ばさみになっていた」と芸能関係者。
「改編期を迎えるテレビ局やスポンサーへの説明もあるので、この時期には結論を出さなくてはならなかった」(前出芸能関係者)中、いったんは活動休止の流れに。
しかし事態が動いたのは今月10日。木村を除く4人がジャニー喜多川社長(84)と面談。社長の説得に対し、香取、稲垣、草なぎの3人が解散を強く望んだのだ。「中居には驚きだったが最後は押し切られたようだ」と音楽関係者。
この時、木村は家族ぐるみでメリー喜多川副社長(89)とハワイで夏休み中だったという情報もある。亀裂は決定的だった。
1月の解散危機は、育ての親である元チーフマネジャーが身を引き、5人は事務所に残留する形で幕を引いた。5月にはジャニー社長自らが「解散はありえない」と語り、デビュー25周年コンサートを口にするなど存続の道を模索していた。
しかし、元マネジャーを慕う香取は、事務所残留を決めた木村への不信感を募らせていた。テレビ各局の夏の音楽番組出演をめぐって、ジャニー社長の説得にも木村を除くメンバーは首を縦に振らず、すべて辞退するという最悪の事態に。
そんな最中、7月23~24日、フジテレビが放送した「FNS27時間テレビフェスティバル!」内で、明石家さんまが共演の中居にこう発言。
「お前、歌番組になんで出えへんねん」
そのときの中居がしどろもどろの対応をしたことが話題を集めたが、「すでにグループの亀裂は修復できる状態ではなかった」と音楽関係者。
メンバーは9月から1年間は契約を更新し、活動を続ける。中でも、微妙な立場が香取だ。ジャニー社長が掲げたデビュー25周年のコンサートが実現しないのも「香取が拒否しているから」と女性誌に報じられたほど。
「ファンクラブ収入、CDやグッズ販売、テレビ出演などで約250億円ともいわれるSMAPの年商も失われる。それだけに事務所側は社長の説得にも応じないメンバーに『わがまますぎる』との声も出ていたようだ」と民放関係者。
「香取は飼い殺しのような状況になるかも」と前出の芸能関係者は懸念する。とはいえ、木村もネット上では“裏切り者”の声が強く、風向きは決してよくない。
5人がそろうのはフジテレビ系「SMAP×SMAP」のみという中で、大みそかのNHK紅白歌合戦への出演を望む声が高まっている。
「現在、メンバーにその意思はないようだが、会見も謝罪もない中で終わるわけにはいかない。最後のステージとして出演せざるを得ないのでは」とマスコミ関係者。
SMAP騒動はまだ終わりそうにない。