【緊迫・南シナ海】フィリピン当局、環礁“占拠”の中国船を調査 グレーと白に塗られた船体、公船か?
産経新聞
13 時間前
28.03.03.
【シンガポール=吉村英輝】南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島のジャクソン環礁の周辺海域で、2月から中国船が5隻常駐し、フィリピン漁船が追い払われるなどしていることが分かった。2日付のフィリピン紙スター(電子版)が報じた。
同環礁は、フィリピンが実効支配するナンシャ島と、中国がフィリピンから実効支配を奪って人工島化し3000メートル級の滑走路を建造中のミスチーフ礁の中間に位置する。パラワン島などからのフィリピン漁民が伝統的に漁場にしてきたとされる。
中国船による新たな環礁の“占拠”が確認されれば、フィリピンをはじめ関係国の反発は必至だ。フィリピン軍報道官はロイター通信に、「報告を受けており、事実関係を確認中」としている。
同環礁内に入ろうとした際に中国船に追い掛け回されたと訴える漁民もいる。中国船はグレーと白色に塗られ、居座りを続けているという。中国海警局などの公船とみられる。
フィリピンが、南シナ海における中国の領有権主張は不当として提訴している常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)では、今年5月にも判断を示す見通し。中国は判断を無視する構えで、提訴は「政治的挑発だ」(外相)として、フィリピンへの圧力を強める姿勢を示している。