「イスラム国」がベル神殿破壊=世界遺産パルミラ遺跡の象徴―シリア
時事通信
27.08.31.
3 時間前
【カイロ時事】在英のシリア人権監視団の30日の声明によると、過激派組織「イスラム国」は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されたシリア中部パルミラ遺跡の象徴的な存在であるベル神殿の一部を破壊した。
ベル神殿は、1~2世紀ごろに建設された古代ローマ時代の遺構。破壊された日時や、どの程度損壊したかは明らかでない。イスラム教が広がる以前の多神教の神々を祭る神殿だったことから、標的となった可能性がある。
同組織は23日、パルミラで約2000年前に建てられたバールシャミン神殿を破壊。パルミラ以外のシリアやイラクの支配地域でも、「イスラム教が禁じる多神教や偶像の崇拝につながる」と決め付け、世界遺産を含む文化財や歴史的建造物の破壊を繰り返している。
こうした行為に対し、国際社会は「戦争犯罪であり、人類にとって大きな損失だ」(ユネスコのボコバ事務局長)と非難の声を強めてきた。
ただ、「イスラム国」にとっては、国際的な反発が強まるほど各国の反社会的な過激分子に対して存在感をアピールできるという側面が強い。非難が繰り返される中で、行動をエスカレートさせているのが現状だ。