【南シナ海問題】中国「埋め立て、軍事目的」 軍幹部明言 防空圏設定否定せず
産経新聞
27.06.01.
9 時間前
【シンガポール=吉村英輝】中国人民解放軍の孫建国・副総参謀長は31日、シンガポールのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、前日にカーター米国防長官から「即時中止」を求められた南シナ海での人工島建設について「中国の主権の範囲内で、合法で正当かつ合理的な活動だ」などと反論した。またその目的に「軍事、防衛上のニーズ」を含めた。
岩礁埋め立てによる人工島建設について、中国軍幹部が公に軍事目的に言及したのは初めてとみられる。
講演後の質疑応答で孫氏は、防空識別圏を設定するかどうかを聞かれ、「中国領空への脅威などで総合的に判断する」と述べた。中国は2013年11月に東シナ海上空に防空識別圏を設定しているが、南シナ海での設定の可能性にも含みを持たせた形だ。孫氏はまた「米国などの代表団が(中国と関係国の)不和の種をまいていることに強く反対する」などと述べ、米国を強く牽制(けんせい)した。
講演で孫氏は南シナ海の現状について「全体的には平和で安定している」と述べ、航行の自由について「埋め立て後も変化は起きていない」と強調して懸念の払拭に努めた。