【主張】
慰安婦問題 新談話と河野氏の招致を
2014.8.28 03:21 (1/2ページ)[主張]
自民党の政務調査会は政府に対し、慰安婦募集の強制性を認めた河野洋平官房長官談話に代わる新たな談話を出すよう要請した。
事実を無視してつくられた虚構の談話を継承することは国民への背信である。政府の検証結果を踏まえた新談話によって国際的に広がった誤解を正すべきだ。
自民党の高市早苗政調会長は、26日に菅義偉官房長官と会い、戦後70年の節目となる来年に向け、新たな官房長官談話を出すよう文書で申し入れた。政府が6月に公表した河野談話の検証結果などを受け、新談話によって河野談話の見直しを求めたものだ。
しかし菅氏は、河野談話をこれまで通り継承するとし、新談話には消極的だという。
政府の検証で、河野談話は強制性を裏付ける証拠のないまま政治決着を急いでつくられた虚構性が明確にされた。
また朝日新聞は自身の報道検証を行い、暴力で無理やり女性を強制連行したなどとする吉田清治氏の証言を虚偽と認めて一連の記事を取り消した。「慰安婦」と「挺身(ていしん)隊」の「混同による誤用」も認め、「軍などが組織的に人さらいのように連行した資料は見つかっていません」とも記した。
慰安婦問題 新談話と河野氏の招致を
2014.8.28 03:21 (2/2ページ)[主張]
日韓関係悪化の発端となった慰安婦問題追及の根幹は、すでに破綻している。河野談話を継承するとしているのは韓国への外交的な配慮などからだろうが、談話の存在こそが日本の近隣外交を縛ってきたのだ。これを継承しては、日本が「甚だしい人権侵害をした」などという誤解の独り歩きを止めることはできない。
事実を踏まえず、相手の意向ばかりを気遣う姿勢は国際的にも信用されない。根拠なき謝罪を繰り返しても、新たな謝罪や補償要求が蒸し返されることは、これまでの経緯から明らかだ。
新たな談話によって「おわび」を繰り返す外交に終止符を打つときではないか。長期的には日韓関係の改善にもつながるはずだ。
河野氏も説明責任を果たしていない。同氏は談話発表の際、強制連行の事実があったか認識を問われ、「そういう事実があった」と認めている。河野談話は、宮沢喜一内閣の謝罪外交の過程で出された。自民党は責任を自覚し、新談話作成の前提として、河野氏の国会招致を実施すべきだ。