2014年5月4日 07:10 (サンケイスポーツ)
決めた!佳純、死闘フルセット制し涙のメダル/卓球
負ければ敗退のがけっぷち。最終第5試合をフルセットで制した石川の目には、涙があふれた(撮影・桐山弘太) (サンケイスポーツ)
JA全農世界選手権団体戦第6日(3日、国立代々木競技場ほか)女子で1次リーグB組を1位で通過した世界ランク3位の日本は、準々決勝でC組3位のオランダを3勝2敗で下し、2大会ぶりのメダルを確定させた。
世界ランク9位のエース・石川佳純(21)=全農=は第2試合で今大会初黒星を喫したが、最終の第5試合でブリット・エールランド(20)とのフルセットの激戦を制し、思わず涙。4日の準決勝で女子は世界4位の香港と、男子はシンガポールを下した同2位のドイツと対戦する。
涙が自然とこぼれた。最終第5試合に勝った瞬間、石川は右手を握り、口元を手で押さえた。負ければメダルを逃すという想像以上の重圧。2年前と同じ思いだけは、したくなかった。
「負けると思って泣きそうになっていて、最後はホッとした。チーム.のみんながくれた5番目の試合。最後は自分らしいプレーができた」
エースの意地だった。29歳の平野が勝ち先に1勝して迎えた第2試合。世界ランク13位で中国出身のリー・ジャオ(41)を相手に、第5ゲームでマッチポイントを握ったが逆転負け。試合は第5試合までもつれた。
「気合を入れようと思った」と下ろしていた前髪を森から借りたピンでとめ、世界100位のエールランドと激突。第5ゲーム序盤は0-3と相手にリードを許したが、最後は磨き上げたフォアハンドで果敢に攻め、日本に2大会ぶりのメダルをもたらした。
ドイツ・ドルトムントで行われた前回の2012年大会。準々決勝で韓国に敗れメダルを逃したその瞬間、コートに立っていたのが石川だった。「2年前だったら(第5試合で)負けていた。いろいろな人に助けてもらって、精神的に強くなった」。自身の成長も実感した。
「本当にうれしい。佳純がよく頑張った」。12年ロンドン五輪団体でともに銀メダルを獲得した平野も、石川の活躍をねぎらった。きょう4日は31年ぶりの決勝進出をかけ、世界ランク4位の香港と準決勝。がけっぷちからはい上がったエースが、さらなる高みへチームを導く。
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