【ジャンプ】
好敵手はイラシュコ 高梨沙羅、金メダルに挑む
2014.2.10 18:52 [ジャンプ]
W杯ジャンプ女子第10戦で優勝したダニエラ・イラシュコ(右)と2位の高梨沙羅=1月25日、プラニツァ(共同)
五輪で初めてのジャンプ女子が11日に行われる。日本からは高梨沙羅(クラレ)と伊藤有希(土屋ホーム)、山田優梨菜(長野・白馬高)の3人が出場する。高梨は金メダルを狙い、伊藤も表彰台をうかがえる位置に付ける。海外勢では、2011年世界選手権女王で今季ワールドカップ2勝のダニエラ・イラシュコ(オーストリア)に勢いがあり、高梨と僅差の優勝争いとなりそうだ。(宝田将志)
イラシュコは8、9日に行われた公式練習で計5回飛び、飛距離トップが3回、2位が2回。本人は踏み切りにやや問題があるというものの、9日の1回目では高梨よりスタートゲートを1段下げて2メートル上回るなど好調ぶりを発揮した。女子ジャンプ黎明期(れいめいき)を知る30歳は「メダルを獲得するのは本当に難しいこと。でも、全てのことが可能なのが五輪だ」と初代女王に意欲を示している。
右膝の負傷からカムバックした昨季の世界選手権女王、サラ・ヘンドリクソン(米国)は五輪が復帰初戦。公式練習では「膝を守るため」と他の選手より数段ゲートを下げ、80メートル前後の慣らし運転のようなジャンプを繰り返している。まだ痛みも不安もあるといい、メダル争いについては「それを私の口から言うのは難しい。自分の技術に集中したい」と控えめに抱負を述べた。
高梨は憧れのヘンドリクソンが五輪で復帰したことを歓迎し、「競技への意欲につながっている」と力にしている。ただ、助走で重心を落とす位置を完全にはつかみきれておらず、助走姿勢の組み方を早くするなど修正中。9日の練習後には「10日の練習と試合前の試技の計4本で戻せればいい」と焦りはない。
気になるのは天候だ。雪が降ったり気温が極端に下がったりすると助走路が滑りにくくなり、体重が軽い高梨は速度を得にくくなる。競技開始前の11日午後9時の予報は曇り、気温2度。大きな不利にはならなそうだが、秒速1・4メートルだという風がどう影響するか。