【婚外子規定 違憲】
「『2分の1』の自分取り戻した」婚外子女性
2013.9.4 22:43
違憲判断を受け、会見する和歌山県の40代女性=4日午後、和歌山市(松永渉平撮影)
「『2分の1』といわれた自分の生きる価値を、取り戻した」。平等な遺産分割を求めて裁判を続けてきた和歌山県の40代の女性は4日の決定後、和歌山弁護士会館で会見。違憲判断を勝ち取った喜びを語った。
女性は別に妻子を持つ父と、父の経営する飲食店の従業員だった母の間に生まれた。「二号の子供のくせに」。小学3年生の時、クラスの男子にそうからかわれ「婚外子」としての自分を意識するようになったが、特に不自由は感じなかった。平成13年に父が病気で死亡した際には毎日仕事帰りに病院を訪れ、娘として最期をみとった。
差別を初めて実感したのは、遺産分割の話が持ち上がったときだった。相続分は嫡出子の半分と知り、「命の重みが半分と言われているような気がした」とがくぜんとした。
父の死から約12年。「最高裁まで争うなんて、みっともない」と親族に冷ややかな視線を向けられ、インターネット上でも中傷の嵐に遭った。
女性は会見の最後に、長い戦いを支えた信念を改めて繰り返した。
「子供はどんな状況で生まれても平等だということを、知ってもらいたい。今日が第一歩だ」
一方、相手方の嫡出子は「母は法の規定を心の支えに40年間、精神的苦痛に耐えてきた。違憲判断は私たちにとって納得のできるものではなく、非常に残念で受け入れがたい」とのコメントを発表。「日本の家族形態や社会状況を理解せず、国民の意識とかけ離れている」と批判した。
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