<周期ゼミ>氷河期に分化 DNA解析で裏づけ 京大
毎日新聞 3月19日(火)4時0分配信
周期ゼミ=曽田貞滋・京都大教授提供
米国で13年と17年ごとに大量発生する周期ゼミは、氷河期にその発生周期を得たとみられることがDNAの解析で裏付けられたと、京都大の研究グループが18日、発表した。米国科学アカデミー紀要(電子版)で近く発表する。
周期ゼミは米国東部だけに生息する。13と17という素数(1とその数字だけでしか割れない)が発生周期のため、「素数ゼミ」とも呼ばれている。
京大の曽田貞滋(そたていじ)教授(生態学)らのグループは、78~08年に収集された数百体の周期ゼミ標本からDNAを採取、突然変異の痕跡を追跡することで、遺伝的な系統図を作成した。
その結果、周期ゼミの祖先は同一で、氷河期(約7万年前~約1万年前)の後期(約2万6500年前以降)に、13年と17年のグループに分かれたことが判明したという。
周期ゼミを巡っては、研究の第一人者、吉村仁(じん)・静岡大教授(数理生態学)が、北米大陸の氷河期に幼虫の期間が長い種が現れたなどとする論文を発表している。【五十嵐和大】