【バドミントン】
フジカキ「びっくりだね」 重圧乗り越え日本勢初メダル確定
2012.8.3 08:09 [バドミントン]
バドミントン女子ダブルス準決勝 決勝進出を決め、抱き合って喜ぶ藤井瑞希(右)、垣岩令佳ペア=2日、ウェンブリー・アリーナ(門井聡撮影)
これが産みの苦しみか。第2セットは藤井と垣岩の動きが硬かった。「どうしよう」。相手は世界ランキング27位。5位の「フジカキ」からすれば勝って当然の状況に、藤井はいつにない重圧に押しつぶされそうになったという。
このセットを失ったが、2人は「勝っても負けてもあと1セット。思い切りやろう」と開き直った。。レシーブから攻撃につなげる本来の形を取り戻し、第3セットはカナダのペアを圧倒した。大歓声を浴びながら、日本勢初の五輪メダルを確定させた2人は静かに抱き合った。
2人は青森山田高の先輩と後輩。高校時代からダブルスを組み、1学年上の藤井が誘う形で実業団でもペアを結成した。北京4位の末綱聡子、前田美順組は所属先の先輩だ。
観客席から声をからした4年前。「スエマエ」の快進撃を間近で見て、五輪への思いが一層膨らんだ。垣岩は「北京で先輩たちの試合を見ていなければ、私たちはここにいない」と話す。
昨年3月の全英オープンで日本勢20年ぶりの準優勝。前衛と後衛が入れ替わりながら攻撃するプレースタイルに磨きをかけ、先人たちが夢見て届かなかった五輪の決勝にたどり着いた。
「うれしいというよりホッとしました。びっくりだね」。藤井が水を向けると「ああ良かった」と垣岩。決勝でぶつかる中国ペアは昨年破っているだけに、藤井は「ここまで来たら精いっぱい一番高いところを目指したい」と話した。
重圧に打ち勝った2人には、金メダル獲得という次の大仕事が待っている。(細井伸彦)