2012年7月7日 09:24 (日刊スポーツ)
杏南16歳 壮行会TVカメラ15台に戸惑い
陸上で戦後最年少の16歳で五輪に出場する女子400メートルリレーの土井杏南(埼玉栄高2年)が、「注目」との戦いをスタートさせた。埼玉栄高の五輪代表選手壮行会が6日、さいたま市の同校で行われ、クレー射撃の中山由起枝、重量挙げの三宅宏実、水落穂南、体操の山室光史、加藤凌平、バドミントンの田児賢一、陸上の高橋萌木子の卒業生7人とともに出席。21社70人のメディアが集まる中、注目を一身に浴びたのは女子高生「アンナちゃん」だった。
在校生2558人が待つ体育館に入る直前、人の多さに「ヤバイよ~」と目を丸くした。チアリーディングなど派手な壮行会に終始笑顔。退場する際には、大きな拍手に笑みを見せたが、直後の会見では顔が引きつった。そして15台のテレビカメラを前にした「囲み取材」には二の足を踏む。見かねた清田監督が「大勢だと威圧感を感じるので」と助け舟を出した。
身長158センチと小柄で、見た目も中身も、ごくフツーの女子高生だ。それが今月3日に晴れてリレーでの五輪代表が確定すると、状況は一変した。女子48年ぶりの出場権に加え「戦後最年少」「女子高生」という肩書がついてくる。7・3を境に、追い回される立場となった。土井は「1日でこんなに変わるんだって思いました」。
明るく、素直な性格。毎朝5時半に起き、夜10時には就寝する。AKB48の曲を歌い、気分転換は仲間との「ガールズトーク」。こんな素顔と五輪代表アスリートのギャップが、またマスコミの興味をそそる。それでも突然の「杏南フィーバー」にめげず、「出ると決まった以上、上を目指さないといけない」。キュートな女子高生の挑戦から目が離せない。【佐藤隆志】
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