東電、7月値上げ延期へ
2012.5.30 11:17 [エネルギー]
東京電力が計画している家庭用電力料金の値上げが当初予定の7月1日から延期される見通しとなったことが30日、分かった。値上げの妥当性を審査している経産省の有識者委員会の議論に時間がかかるうえ、消費者の反発が強い値上げを急いで判断することに経産省が慎重姿勢を見せているためだ。値上げが8月以降にずれ込めば、東電の収益がさらに圧迫される可能性がある。
東電は原発の全基停止に伴う火力発電所の運転増強で燃料費が大幅に増大。これを電気料金に転嫁するため、家庭向け料金の平均10・28%の値上げを経産省に申請し、2012年度で1900億円の収支改善を見込んでいる。
経産省は有識者会議や公聴会を経て、最終的には枝野幸男経産相が認可するが、有識者会議では東電のさらなる経営合理化を求める声が強く、「あと1カ月程度は議論が終わらない」(経産省関係者)見通しだ。値上げの実施までには10日間の周知期間も必要なため、7月1日実施は困難との見方が強まっている。
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