【バレー】
途中投入の迫田がチーム最多20得点、激闘制す
2012.5.26 01:04
日本-キューバ 第2セット、スパイクを決める迫田=東京体育館
最後は、相手のスパイクがコートを外れた。キューバの6大会連続となる五輪出場の夢を砕き、日本がフルセットの激闘を制した。
立役者は途中出場の24歳の迫田だった。第2セット終盤からコートに立つと、強打のキューバを圧倒するほどの強烈なバックアタックを何度も相手コートに突き刺した。
圧巻は、落とせば万事休すの第5セット。14-14と15-15の緊迫したジュースの場面で、いずれもバックアタックを決めて勝利を呼び込んだ。「途中出場の役割は、少しでもリズムを変えることだと思っている」という背番号16。チーム最多の20得点の活躍に、真鍋監督は「チームを救ってくれた」と称賛した。
迫田がコートに飛び出したとき、頭にあったのは「1セット目の逆転勝ちを無駄にしない」という思いだった。
第1セット。17-23からの大逆転劇は、エース木村のサーブが生んだものだった。スパイクを決めて5点差からサーブを打ち続けた。回転が少なく変化に富んだサーブで相手のレシーブを乱してミスを誘い、8連続ポイントを奪取した。
日本-キューバ 第5セット、スパイクを決め喜ぶ迫田=東京体育館
全員バレーを強調してきた日本はこの日、迫田だけでなく、平井や新鍋ら他の控えメンバーもコート上で存在感を示した。文字通りの総力戦で3大会連続の五輪切符に王手をかけた。「簡単に、五輪に行かせてくれるはずがない」と気を引き締める監督だが、上昇ムードで強豪ロシアを迎え撃つ。(田中充)