尖閣巡視は「実効支配の打破」目的 中国当局が表明
2012.3.21 20:13 [尖閣諸島問題]
日本の接続水域内を航行する中国船「海監50」。奥は海上保安庁の巡視船「いしがき」=16日午前7時40分、沖縄県・尖閣諸島久場島の東南東約27キロ(第11管区海上保安本部提供)
中国国家海洋局の東シナ海管轄当局者が21日までに共産党機関紙、人民日報のインタビューに答え、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)海域で16日に開始した海洋調査船の巡視活動について日本の実効支配の「打破」を目的にした「定期」巡視と表明した。実効支配排除を明確に巡視目的として掲げるのは珍しい。
中国には「実効支配が50年続くと国際法の判例で尖閣諸島が日本の領土として定着しかねない」(日中軍事筋)との強い危機感がある。同諸島が沖縄県とともに米国から日本に返還されてから50年となる2022年5月が近づくにつれ、中国は強硬姿勢をエスカレートさせかねない情勢だ。
国家海洋局当局者はインタビューの中で「(50年の)実効支配によって(日本の領有権を定着させる)『時効』を取得し、釣魚島を窃取しようとする(日本の)たくらみを打破する」と力説した。(共同)
離島命名 尖閣で対中配慮は禁物だ
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