神社式典での市長の祝辞「合憲」 石川・白山の政教分離訴訟
2010.7.22 16:54
石川県白山市の市長が地元の白山(しらやま)比●(=口へんに羊)(ひめ)神社大祭の関連式典に出席して祝辞を述べたことが、憲法の政教分離原則に違反しているかどうかが争われた住民訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は22日、「合憲」と判断し、2審の違憲判決を破棄、住民側の請求を退けた。住民側逆転敗訴が確定した。
同小法廷は、神社は重要な観光資源▽式典は神社ではなく一般施設で行われた▽祝辞の内容が儀礼的な範囲を超えた宗教的意味を有していない-などと指摘。
そのうえで、市長が祝辞を述べた行為について、「観光振興に尽力すべき立場で式典に招かれ、社会的儀礼を尽くす目的で行われた。宗教的色彩を帯びない儀礼的行為の範囲で、特定の宗教に対する援助や促進になる効果を伴っていない」と結論づけた。
今回の判断は最高裁大法廷が昭和52年、津地鎮祭訴訟判決で示した「目的が宗教的意義を持ち、効果が宗教への援助、助長になるか」との判断基準(目的効果基準)を踏襲した。
訴訟で住民側は公費約1万6千円の返還を求めて提訴。1審金沢地裁は請求を棄却したが、2審名古屋高裁金沢支部は「市長の行為は憲法が禁じる宗教的活動に当たる」と判断、公用車経費の一部2千円を支払うよう命じていた。
判決によると、市長は平成17年、市内の一般施設で開かれた白山比●(=口へんに羊)神社の大祭の関連式典に公用車で参加、祝辞を述べた。
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