【富山】
ウマヅラハギ 輪くぐり 魚津水族館
2010年4月17日中日新聞
5個の輪くぐりをするウマヅラハギの「ウーちゃん」=魚津水族館で
ショー初登場 特訓1カ月、愛嬌たっぷり
魚津水族館が現在の建物(三代目)が開館した一九八一(昭和五十六)年から続けている伝統ある「お魚ショー」に十六日、ウマヅラハギの「ウーちゃん」がデビューし、初舞台の「輪くぐりショー」を無難にこなした。これまでイシダイが三種類の実験水槽でショーを見せてきた同水族館は「ウマヅラハギのショーは、全国初ではないだろうか」と話している。(武田寛史)
ウマヅラハギは魚津漁協が魚津おさかなブランド化事業として、二〇〇八年度から、魚津の代表的な魚としてPRしている魚。ショーに登場することで、この魚の認知度もさらに上がりそうだ。
デビューしたのは展示中の個体から選んだ一匹で、二月十六日から特訓を開始。輪を警戒させないように餌で誘導しながら、何度も輪をくぐらせて学習させた。輪の数を少しずつ増やして、難易度の高い五個の輪くぐりもできるようになった。
イシダイは、好奇心が強く、岩礁の間を通り抜ける能力も高く、ショーを覚えさせるのに向いている。最短二日間でマスターするという。これに比べ、ウマヅラハギは調教を始めて、成功するまでに一カ月間も要したという。
飼育研究係員の不破光大さん(30)は「イシダイと比べると、覚えるのも、泳ぎもゆっくりだが、輪をくぐろうと一生懸命な姿に愛嬌(あいきょう)がある。ウマヅラハギにも学習能力があるところを見てほしい」と話す。
現在、ショーができる個体は一匹だけで、同水族館はショーを継続するために、輪くぐりができる個体を増やすことを当面の課題にしている。
お魚ショーは毎日、午前十時半、同十一時四十分、午後一時十分、同二時四十分、同三時四十分の計五回実施している。