有機物の電子の重さ測定
世界初高性能半導体開発に光 千葉大大学院
2010年04月16日15時33分千葉日報
千葉大学大学院のグローバルCOEチームの上野信雄教授(61)と石井久夫教授(47)は15日、県庁で記者会見を開き、世界で初めて有機物質の電子の重さを測定することに成功したと発表した。これにより電気を流しやすい有機物質の特定が進み、高性能の有機ELディスプレーや有機トランジスタ(電子回路)の開発につながるという。
有機半導体は近年開発が進み、照明やテレビのディスプレーなどの商品化が進んでいる。シリコン製の半導体に比べ、有機半導体は軽く、加工が容易で、省エネ効率が高いことが知られている。
ただ、石井教授によると、本来電気を流さない有機物のうち、なぜ電気を流す物質があるのか、どういう分子構造の物質が電気を流しやすいのか解明されておらず、素材開発のネックとなっていたという。