中国、6年ぶり貿易赤字 3月、内需拡大や資源高騰で
【北京共同】中国税関総署が10日発表した3月の貿易統計によると、貿易収支は72億4千万ドル(約6750億円)の赤字だった。新華社が伝えた。単月の貿易収支が赤字となるのは2004年4月以来、約6年ぶり。
中国の国内需要拡大と、原油や鉄鉱石など資源の価格高騰で輸入額が膨らんだことが原因。中国当局がインフレへの警戒などから人民元を早期に切り上げることを後押しする要因ともなる。
輸入は内需の強さを反映し、66・0%増の1193億5千万ドルと急増した。一方、輸出は24・3%増の1121億1千万ドルと4カ月連続のプラスとなったが、増加率は2月よりも低かった。
米国は貿易不均衡の解消を理由に元切り上げを求めてきたが、赤字化で「外圧」が幾分和らぎ、中国が自らの判断で為替政策を変更する環境が整うとの観測がある。
ただ、陳徳銘商務相が8日に「貿易赤字となっても、貿易が回復する過程での短期的な現象」と語るなど、赤字は一時的で、今後また輸出が増勢を強めるとの見方もある。
2010/04/10 12:56 【共同通信】