従業員持ち株採用の企業増加 株価上昇で士気向上
信託を活用した新たな従業員持ち株制度を採用する企業が増えている。通常の持ち株会が事前の計画に基づき株式を買うのに対し、専門家が株の取得時期を機動的に判断するため、株価上昇の恩恵を受けやすく、社員の士気向上が期待できることが背景にある。
国内で6日までに導入、あるいは導入を公表した企業は26社に上る。企業側にとっても安定株主対策や手元の自社株を有効活用できるメリットがある。
業務用食品卸のトーホー(神戸市)は3月下旬、住友信託銀行と従業員持ち株会信託の契約を結んだ。信託期間は約3年。住信は、持ち株会が今後3年間に取得する見込みの株を、銀行から融資を受けて一括で買い付け、毎月一定の割合を時価で持ち株会に売却する。
3年後に株価上昇で信託に財産が残れば従業員に分配。借入金が残った場合は従業員ではなく同社が負担する。
トーホーは導入理由を「業績向上への動機づけ」と説明。従来は全社員対象にストックオプションを採用していたが、新制度の方が受け入れやすいと判断したという。
従業員持ち株会信託は広島ガスや全日本空輸、上新電機なども採用。今年はブックオフコーポレーションはじめ13社が導入を公表した。
2010/04/06 17:59 【共同通信】