藻場再生へ鉄炭団子設置 油谷湾でシーカヤック使い
2010年4月5日(月)掲載 山口新聞
シーカヤックで海中に鉄炭団子を設置する参加者ら
豊かな漁場をはぐくむ藻場を再生しようと、長門市油谷伊上の油谷湾で3日、水産高校水産科学部や地元のカヤック愛好家らが協力し、海中に鉄分を供給する鉄炭団子をシーカヤックを使って設置した。
同高では2006年度から海藻が育たなくなる「磯焼け」防止の研究に取り組み、使い捨てカイロなどを原料にした鉄炭団子を使った実証実験を行っている。これまでに、鉄分の供給が海藻の成長促進に効果があることが分かったという。
油谷湾は水深の浅い海域が多く船での作業が難しいことから、伊上海浜公園オートキャンプ場にあるシーカヤック体験施設、ボニーベイシーカヤックセンターの洲澤育範代表に協力を依頼。10人がシーカヤックに乗り込み、地元の子どもたちが作った鉄炭団子1600個を海底に設置した。
洲澤代表は「カヤックは現在では遊びとして使われているが、もともとは生活に密接していた。海を緑にすることに協力できてうれしい」と話した。