本格緑茶を手軽にドリップ 静岡県の研究所が開発
茶葉の入ったフィルターをカップの上に置き湯を注ぐドリップ式緑茶を入れる佐田康稔主任研究員=静岡県菊川市 急須を使わず手軽においしい静岡茶を-。静岡県農林技術研究所(同県菊川市)などは、茶葉の入ったフィルターを湯飲みの上に置き、湯を注いで1分程度で本格的な緑茶が飲めるドリップ式新製品を開発した。急須のない海外に売り込むとともに、茶葉からいれるのは面倒だがペットボトルでは物足りないという国内の若年層などへの需要拡大を目指す。
従来のドリップ式製品は、湯飲みの中にフィルターを入れるタイプが主流だが、同研究所はドリップコーヒーのフィルター製造企業と協力し、フィルターが湯飲みの上にのる仕組みを発案。抽出したお茶とフィルターを離し、渋くなりすぎないよう改良した。
湯が内部に一定時間とどまって成分が溶け出すよう、フィルターの目を細かくする工夫も。佐田康稔主任研究員は「カテキンやうま味成分の量は急須で入れた緑茶と変わらない」と胸を張る。
米国で緑茶を販売する杉本製茶(同県島田市)が、県産の上級茶葉を2~3種類ブレンドしてフィルターに入れた製品を年明けにも米シアトルで販売する。1個で約300ミリリットルの緑茶をいれられ、70~100円の価格を検討。国内でも来年6月以降に発売する。
2009.12.23.12:51ディリー