元法王らの聖人手続き開始 虐殺沈黙でユダヤ人反発
2009.12.20 11:02
カザフスタンの首都アスタナの空港で行われた式典で演説を聞くヨハネ・パウロ2世=2001年9月22日(AP) ローマ法王ベネディクト16世は19日、前法王ヨハネ・パウロ2世と元法王ピウス12世(いずれも故人)を、カトリックで最高の崇敬の対象とされる「聖人」となる前段階の「尊者」とすることを決めた。ピウス12世は第2次大戦中のユダヤ人虐殺に沈黙を守ったとして批判されており、米国のユダヤ人団体が決定を非難した。
ピウス12世は1939年の即位以来、大戦で中立を主張、虐殺についても明確な批判の立場を示さなかった。ユダヤ人団体などは「大戦中の法王庁(バチカン)の公文書が公開され、法王のとった立場が明確になるまで、聖人に向けての手続きを凍結すべきだ」と主張していた。
一方、2005年に死去したヨハネ・パウロ2世の手続き開始は、通常は少なくとも数十年かかるとされる慣例からすると異例の早さ。27年間の在位中、ソ連、東欧の共産体制崩壊に果たした役割などから今も高い人気が影響したとみられる。(共同)
2009.12.19 Web posted at: 18:42 JST Updated - CNN
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ローマ法王、故ヨハネ・パウロ2世を「尊者」に 文書に署名へ
2005年4月2日に84歳で亡くなったローマ法王ヨハネ・パウロ2世ローマ(CNN) ローマ法王ベネディクト16世が19日にも、故ヨハネ・パウロ2世を「尊者」に列するための文書に署名する見通しとなった。ローマ教区が18日、明らかにした。
ヨハネ・パウロ2世は2005年4月2日に84歳で亡くなった。カトリックでは通常、列聖に向けた手続きは死後5年を待たねばならないが、後を継いだベネディクト16世はヨハネ・パウロ2世の死後、数カ月後には特例として列聖に向けた手続きを始めると述べていた。
ヨハネ・パウロ2世が「尊者」となることで、「奇跡」がひとつ認められれば「福人」となる。さらに奇跡が認められれば、「聖人」となる。
ヨハネ・パウロ2世も生前、マザー・テレサが亡くなった際、列聖までの手続きを死後5年待たずに実施していた。