判断は,時代とともに変わるものだ。と思う。
最高裁が昭和29年の判例変更 高知・東洋町のリコール訴訟
2009.11.18 18:23
高知県東洋町議に対する住民のリコール(解職請求)をめぐり、公務員の農業委員が請求代表者として集めた署名が有効かどうかが争われた訴訟の上告審判決が18日、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)であった。大法廷は「請求代表者に農業委員が含まれていることを理由に署名を無効とすることできない」と述べ、住民側の請求を退けた高知地裁判決を破棄した。住民側逆転勝訴が確定した。大法廷15人の裁判官のうち、12人の多数意見。
農業委員が請求代表者となった署名の効力を否定した昭和29年の最高裁判決が判例となり、同種訴訟で踏襲されてきたが、この判例が55年ぶりに変更された。今回の判決で、農業委員に限らず、すべての公務員が議員の解職請求で代表者になれることになる。
大法廷は、公務員が解職請求代表者となることを禁止した政令を違法と判断。その上で、「請求代表者に資格制限を設けるなら、制限の及ぶ範囲は法律で明確に規定されていることが望ましい」と付言した。
反対意見をつけた3人の裁判官は「請求代表者の資格はいかなる公務員でも無制限と宣言したもので、多数意見には到底賛同できない」と述べた。
住民側の代理人は「住民の直接請求の権利が不当に制限されてきた。これが拡張されたことは高く評価できる」とした。