八ッ場ダム 中止の是非巡り割れる民主系会派 埼玉県議会
10月14日2時31分配信 毎日新聞
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八ッ場ダムの建設予定地
八ッ場(やんば)ダム(群馬県)建設中止の是非を巡り、埼玉県議会の民主系会派(18人)が揺れている。
衆院選で擁立した14選挙区すべてで民主が勝利した埼玉だが、県議会では会派の9人が「建設推進議連」に参加、会派としての態度を決めかねている。
このままだと会派分裂の恐れもあるため、県議会最終日の15日、国に建設是非の徹底検証を求める“玉虫色”の意見書を出す方向で調整している。
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埼玉県の八ッ場ダム関連の事業費は関係6都県内で最大の約700億円(国の補助金含む)。上田清司知事は元民主の衆院議員だが「治水、利水両面で必要。政権から何の説明もない」と建設推進を主張し、新政権を再三批判している。
一方、県議会与党の民主系会派は、知事に同調する推進派と「党のマニフェストを順守すべきだ」と主張する中止派とに割れている。
ただ推進派もスタンスはさまざま。ある議員は「ダム建設費を盛り込んだ予算に賛成してきた責任がある。マニフェストを作る前に地元議員の意見を聞かないのはおかしい」と言うが、別の県議は「知事与党だから私も推進。知事が意見を変えれば従う」と話す。
会派は意見書の文案を調整中。自民系会派が建設推進を打ち出しているのに比べ「分かりにくい」との指摘も受けそうだが、中止派の民主県議は「会派分裂もありうるので仕方ない」とため息交じりに打ち明ける。【岸本悠、山崎征克】
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