(アレクサンダーモザイク 前100年頃 ポンペイ出土)大塚国際美術館写あり
古代ギリシャにおいて,もともと神々の世界と人間の世界とは
明確に区別されていた。
神々は不老にして不死。人間は死すべきもの。と,その間には
超えられない溝があった。
その中間に位置するのが,神と人間の間に生まれた英雄で
人間の中でも偉大な功績をあげた者は,人間を超えた英雄として
崇拝を受ける事があったという。
前4世紀,生前に於ける神化の最初の事例がスパルタの将軍という。
次?が,アレクサンドロスの父,フィリポス2世で。アレクサンドロスは自己を
神格化,奇跡の記述していく中で自己の支配の地域を固めていった。
エジプト王はアモン神の化身であり,蛇はそのアモンの象徴であったという。
ことから,大王がアモン神殿に向かう途中におきた現実にあったらしい-単なる偶然と思うが-
奇跡の話し。
大王の母親オリュンピアスは,蛇に姿を変えたゼウスと交わってアレクサンドロスを産んだという伝説。
こうした神格化への道のりをみると,旧約聖書のモーゼ,新約聖書のイエス=キリストが浮かんでで来る。
なお,王が治世するまえになくなったことで,後継者の多くがアレクサンドロスを神格化するとともに
王権の正当性を保持していくために,自己の神格化とともにキリスト伝説のような奇跡の話しが数多く作られていったようである。
後世の承継者が自己の支配を確実にするという目的もあって,
アレクサンドロスにまつわる神話は,数が多いという。
アレクサンドロスについては,自己の名誉を追求するとともに,他人の名誉も重んじた。
誇り高き人物に対しては,敵であっても礼節を尽くして振舞ったという。