「利息制限法というのが、ありまして。」
「今は、無視できないんです。」
「お気持ちは、わかりますが。」
店主はそんなに儲からない。と強く否定した。
「実は、aさんと親しい関係で。」と私は続ける。
「いきなり、文書でという訳にもいきませんし・・。」
「aさんは、兄貴みたいなものだ。」と店主は言う。
店主の兄は、10年ほど前に亡くなったが、aさんと店主の兄は
無二の親友であったことをaさんから聞いていた。
aさんと私は碁がたきの関係でもある。
今の時期は、山にきのこ取りにaさんは奥さんと毎週の日曜日に、
車ででかけ、毎週のように、きのこをごちそうになっている。
個人的な楽しみが、とんだところで役に立つことになった。
「そんなに、儲けてない。」とさらに、否定し、店主はノートを
示した。
「娘さんも心配していますし。」とわたし。
「それならそうと、○○さん言ってくれれば、いいのに、」
「今月は支払が遅いのでおかしいとは思っていた。」と店主。
「それに、つい先日借りに来たばかしだしね。」
さしだされたノートを見ると、
小額ながら、2ヶ月ほどまえに、借り増しの記載がある。
その後の支払は1度のみ。
ノートを見ながら、落としどころを瞬時に考えていた。
原則どおり押すか。1.出資法違反の疑いがある。
それとも、2.減額の提示をするか。
○○さんは、消費者金融から信用がつくくらい、
付き合いが長いので、他社から相当な過払金が見込めた。
「5万円、返済するということでどうでしょうか?。」と、わたし。
「○○さんには、いままで儲けさせてもらってるし、aさんの関係も
あるから、4万円ということでいい。」店主は言う。
結局、大手消費者金融から3ヶ月のうちには過払金が入るので、
そのときに、現金を持参するということで決着した。