20年ぶりだかの中学時代の友人が同窓会をきっかけに、突然目の前に現れた。中学時代のその頃は、仲がよかったのだが、その間の付き合いはない。
ある日のこと、好きな女性がいてその子を助けるために、女の使っていた車を買ってやるのだと言う。
その年の前の年末だったか、男の勤める何人かの忘年会に同席したことがあった。3歳の子供を抱えた26歳の女性である。しっかりしていたはづなのだと、そこでおかしいと気がつけばよかったのだが・・。
注.女はその店の従業員ではない。
へぇ・・。惚れてるんだ。少しはいいところを見せようと思ったらしい。
そのあと。
へんなことを言う。女から街金から借りたらと言われ、そうしようと思う。と、昔友人だった男は言った。
おいおい。金利の高い街金から借りようなんて馬鹿いってるんじゃあないよ。と。
今まで、借りたものは、返さないという人種に出会ったことのない私は、保証人になってやり信用金庫を紹介した。
返さなきゃあいけないんだから、必要のない金は借りるなと言う私の言葉を背中に、男は10万円余分の70万円を信用金庫から借りた。男は年甲斐もなく、この値段でと車の自慢をしているのを見て怪訝に思った。