北朝鮮:平壌のガソリン高騰 「経済制裁の影響だ」の声
毎日新聞
16 時間前
29.04.25.
【ソウル米村耕一】平壌市内のガソリンとディーゼル油の価格が今月中旬に突然2倍近くに急騰し、その状態が継続しているとソウルに拠点を置く北朝鮮専門ニュースサイト「NKニューズ」が24日、平壌に住む複数の外国人の話を引用して報じた。一般市民に対するガソリンの販売も制限されているといい、平壌市民は「中国を含む国際社会による経済制裁の影響だ」と話しているという。
NKニューズによると、昨年11月から今年4月上旬までのガソリン価格は1リットルあたり0.53ユーロ(約63円)から0.63ユーロ(約75円)と徐々に値上がりしていたものの安定していた。ところが、今月21日には1.1ユーロ(約120円)と8割近くも上がった。さらにガソリンスタンドの門が閉じられ、市民は購入できなくなったという。
ガソリン価格急騰の理由について「NKニューズ」のチャド・オキャロル代表は「平壌市民は経済制裁のためだと在住外国人に話している。現在の価格水準が6~7月までは続くとみているようだ」と毎日新聞の取材に語った。中国による北朝鮮向けの重油輸出がすでに遮断されたのか、今後遮断される可能性があると見て値上がりしているのかは不明だという。
韓国紙は今月上旬に韓国を訪問した中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表が、北朝鮮に対する中国独自の経済制裁の可能性について韓国側に説明したと報じていた。中国外務省の陸慷報道局長は21日の定例会見で、北朝鮮に対する追加制裁を検討しているかと聞かれ「仮定の質問には答えられないし、提供できる情報もない」とだけ答えている。