緊迫・南シナ海】インドネシア海軍「にらみ合いで勝利した」 密漁容疑の中国漁船の拿捕に成功
産経新聞
11 時間前
28.05.31.
【シンガポール=吉村英輝】インドネシアの英字紙ジャカルタ・ポスト(電子版)は30日付で、南シナ海の南端に位置するインドネシア領ナトゥナ諸島沖の排他的経済水域(EEZ)で密漁していた容疑で、同国海軍が中国人船員8人を逮捕し、漁船を拿捕(だほ)したと伝えた。
この海域では3月にも、インドネシアの海洋・水産省の監視船が密漁の中国漁船を摘発したが、護衛していた大型の中国監視船に曳航(えいこう)中の漁船を奪われた。今回も中国監視船の妨害を受けたが、インドネシア海軍の駆逐艦が奪還を阻止したという。
海軍は訴追する方針で、逮捕した乗員8人はナトゥナ諸島にある海軍基地で取り調べ中という。広報官は「この海域がインドネシアの司法管轄下にあると世界に示す」とし、海軍の存在感をアピールした。
中国漁船はインドネシア海軍に摘発された後に逃走を試み、海軍は数回の警告射撃をしたという。
中国の監視船が漁船の“救護”を試みたが、同紙は「インドネシアの駆逐艦が中国の監視船と同じくらい大きかったため、にらみ合いに勝利した」としている。
在ジャカルタの中国大使館は同紙に対し、「友好的な話し合いで適切に解決したい」との立場を示した。3月に問題が起きた際、中国側はインドネシア政府の抗議に、現場海域は「中国の伝統的な漁場」だとしたが、今回は姿勢を軟化させた格好だ。