G7外相会合:「HIROSHIMA」海外訪問者の反応は
毎日新聞
4 時間前
28.04.11.
核保有国外相らが初めて平和記念公園を訪問
広島市で開催の主要7カ国(G7)外相会合。戦後70年を過ぎて核保有国の外相らが初めて平和記念公園を訪れたが、一方で海外からの訪問者は増加傾向にある。公園周辺で声を聞いた。
「広島を忘れてはならないと感じた」。英国のジャッキー・ガリアさん(26)は原爆資料館で被爆証言を聞き、心に変化が生じたという。自国も核保有国だが、「平和を守るため核兵器を持つなんてナンセンスだ。帰国後は家族に『広島に行くべきだ』と伝えたい」と語った。
カナダ出身の大学講師、ブランドン・ギャラハーさん(43)は、原爆ドーム前で被爆者の体験記を読み、心を動かされた。ただ、実際の核廃絶には懐疑的で「核兵器は絶対悪だが、今すべきは核不拡散だ」と主張する。
原爆ドームを訪れたインドネシア人のベネディクタ・ジュリアトリさん(40)は「私の国は日本の軍政下に置かれた歴史があり、原爆については学校で深く学ばない」と話す。それでも「核抑止力のため核兵器を持つことは反対だ。その非人道性について考える時期に来ている」。
米国人のロバート・ジェイコブズさん(56)は広島市立大で核兵器の歴史を研究する。ケリー米国務長官の広島訪問について「米国ではそれほど関心は集まらないだろう」とし、「大切なのは誰が訪れてどんな宣言を出すかでなく、各国が核兵器に頼る政策を変えることだ」と求めた。
3月に同時多発テロが起きたベルギーから観光で訪れたイザベル・ゲイスバーさん(33)は、空港勤務の義弟が負傷した。外相会合について「核廃絶とともに、若者の貧困対策などテロの根本を絶つ方法を見つけてほしい」と注文した。【村瀬優子、竹内麻子、伊藤遥】