オオサンショウウオ:京都・鴨川 交雑進み在来種絶滅危機
毎日新聞
27.10.25.
3 時間前
水族館で人気のオオサンショウウオは多くが交雑種=京都市下京区の京都水族館で、川瀬慎一朗撮影© 毎日新聞
京都市の鴨川水系に生息する国の特別天然記念物・オオサンショウウオが絶滅の危機を迎えている。市の捕獲調査で2013年以降、特別天然記念物の対象とならない外来種や交雑種しか見つかっていないのだ。都市近郊にすむ鴨川上流のオオサンショウウオは貴重とされる。市は期間を延長して調査を進める意向で、専門家は早急な在来種の保護を訴えている。
オオサンショウウオは数千万年前から形を変えず生息しているとされる世界最大の両生類で、体長は最大で約150センチにもなる。鴨川水系では、近い場所で市中心部から約10キロの場所に生息している。しかし、近年は外来種チュウゴクオオサンショウウオとの交雑が進む。京都水族館(京都市下京区)などによると、1970年代に食用などとして持ち込まれたものが無断で放流され、交雑が進んだとみられる。両種の見た目は区別が難しいほど似ている。
市は11年から6年計画で実態調査をしてDNAによる分析を続けているが、15年1月までに鴨川水系で捕獲した計244匹のうち、在来種は11年度の3匹、12年度の1匹しかいなかった。外来種や交雑種は川に戻せないため、水族館に移すなどの措置をとっている。
交雑種の増加は全国的な傾向で、三重県名張市の赤目四十八滝周辺でも13年6月からの調査で5割以上が交雑種だった。【川瀬慎一朗】