「気候変動難民」申請を却下 キリバス男性にNZ最高裁
産経新聞
27.07.22.
14 時間前
【シンガポール=吉村英輝】太平洋の島嶼(とうしょ)国、キリバス出身の男性(38)が、母国に戻れば地球温暖化による海面上昇で生命が脅かされるとして難民資格を申請していた問題で、ニュージーランド最高裁判所は21日、男性の訴えを退けた。男性は家族とともに母国に送還される。
現地からの報道によると、最高裁はキリバスが海面上昇の問題を抱えていることを認める一方、男性が帰国しても「深刻な危機には直面しない」と判断。キリバス政府が環境問題で市民の保護措置に失敗するとの証拠はない、と指摘した。
男性は2007年に妻とニュージーランドに移住して3人の子供ももうけたが、ビザが失効。世界初とされる「気候変動難民」の認定を求めたが、13年11月に高裁に訴えを退けられ、最高裁に上告していた。
キリバス政府は、気候変動による海面上昇で国土が水没する危険があるとして、オーストラリアなどに国民の移住受け入れを呼びかけているほか、移住用地としてフィジーでの土地購入を進めている。