【イスラム国殺害脅迫】ヨルダン、操縦士殺害なら対抗措置で死刑執行? 後藤さん解放交渉、進展なく
産経新聞
27.01.31.
5 時間前
【アンマン=岩田智雄】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件は、31日午前になっても人質となっている後藤健二さん(47)の解放に向けた動きに進展はない。イスラム国、解放交渉を行っているヨルダン政府の双方から新たな情報はもたらされていない。
イスラム国は後藤さんの解放の条件として、ヨルダン政府にサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を要求し、実現しなければ拘束中のヨルダン軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉(26)を殺害するとしている。
英紙インディペンデント(電子版)がクウェート紙記者の得た情報として伝えたところでは、ヨルダン政府はカサスベ中尉が殺害されれば、リシャウィ死刑囚の控訴審を迅速に処理し、イスラム過激派らの死刑を執行するとの対抗措置を取るとイスラム国に迫っているという。ヨルダン政府は報道を確認していない。
イラク人のリシャウィ死刑囚は2005年、夫らとアンマン市内のホテルの結婚式場で自爆テロを図ったが失敗。夫は自爆した。イスラム国の前身、「イラクの聖戦アルカーイダ組織」を率いたザルカウィ容疑者の右腕の男=米軍の掃討作戦で死亡=の妹としても知られる。別の2人の兄弟も、イラクで米軍との戦闘で死亡している。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、最初の夫も米軍に殺害された。特に兄弟の殺害で報復を誓い、自爆犯の夫とは、移動や宿泊をともにするのを容易にするために事件の数日前に結婚した。夫が男だけでは現場の結婚式場に入れないとの予測から、実行犯グループに加わったという。