液晶買い替え狙い争奪戦…ブラウン管生産終了へ
読売新聞
26.12.25.
18 時間前
世界のブラウン管テレビの生産が来年にも終了することになった。
液晶テレビが普及しているためで、ブラウン管テレビが好まれていた東南アジアやインドなどでも今後、買い替えが進みそうだ。韓国勢に苦戦する日系メーカーが好機に出来るかが問われる。
◆根強い人気
ブラウン管テレビを現在製造している主要3社のうち、シャープはすでにインドネシアでの生産を11月末に終えた。残るフィリピンも来年春に終了し、完全に撤退する。インドの地場メーカー2社も液晶テレビに転換する方向で、2015年末にもブラウン管テレビの出荷台数はゼロになる。
東南アジアなどでは、安くて丈夫なブラウン管テレビの人気が根強い。しかし、液晶テレビは値下がりし、インドネシアでは24インチの平均価格が日本円換算で約1万4000円と、21インチのブラウン管テレビ(約1万1000円)とあまり変わらない価格になった。液晶テレビの普及で、ブラウン管の部品メーカーも相次ぎ生産をやめている。
シャープは液晶テレビへの買い替え需要を見込んで、ブラウン管テレビの無料修理イベントを開いている(インドネシア・マナドで)© 読売新聞 シャープは液晶テレビへの買い替え需要を見込んで、ブラウン管テレビの無料修理イベントを開いている(インドネシア・マナドで)
調査会社ディスプレイサーチによると、14年のテレビ出荷台数は、東南アジアとインドを含むアジア太平洋地域で、ブラウン管は300万台、液晶は2840万台の見通しだ。液晶テレビは18年に4322万台まで増えるという。
◆「地デジ」追い風
日本メーカーにとっては、液晶テレビへの買い替え需要の取り込みが課題だ。特に、日本ブランドへの信頼度が高いインドネシアで、販売促進を強化する。人口2億4000万人以上と市場規模が大きく、普及するテレビの7割程度が今もブラウン管とされる。インドは人口が12億人を超えるが、地場メーカーの人気が根強いという。