雌雄決定遺伝子「柿」で確認 京大グループ、植物で初
遺伝子分析で使用した雌雄で株が異なるマメガキ(右)と富有柿=京都市左京区
植物では初めて雌雄の株を決定する遺伝子を、京都大農学研究科の田尾龍太郎准教授と赤木剛士助教のグループが柿から見つけた。早い段階で雌雄の株を見分けたり、作り分けたりする手法の開発に役立つ成果で、31日に米科学誌「サイエンス」で発表する。
植物のほとんどは、一つの花にめしべとおしべを持っていたり、一つの株に雌花と雄花を付けていたり、雌と雄の特徴を併せ持っている。一部の柿やホウレンソウ、パパイアなど植物全体の5%は雌花と雄花が咲く株が分かれているが、それを決める遺伝子は分かっていなかった。
グループは、柿の一種で雌雄で株が異なるマメガキを使って雄だけにある遺伝子の配列を調べた。雌雄を決める遺伝子を特定し、雌は「MEGI」、雄は「OGI」と名付けた。どの株にもMEGIがあるが、OGIを持つと雄の株になり、OGIがMEGIの働きを抑えていることが分かった。
富有柿など食用の柿は雄花と雌花が同じ株に咲くが、グループはOGIがない株には雄花が咲かないとみている。田尾准教授は「雌雄を決める遺伝子の働きを調節することで、富有柿などでも雄花と雌花の咲くバランスを変えることができるのではないか」と話している。
【 2014年10月31日 08時28分 】京都新聞