【韓国旅客船沈没】
「ドーン」何が衝突? 暗礁ない海域…不明な点多く
2014.4.16 21:35 [韓国]
沈没した旅客船周囲で続けられる救助作業=16日、韓国南西部の珍島付近(AP)
【ソウル=加藤達也】韓国南西部全羅南道・珍島(チンド)沖で16日朝に発生した旅客船「セウォル号」沈没事故。死者5人、安否不明者約290人という韓国海難事故史上最悪規模となりそうだが、浸水から沈没までの経緯には不明な点が多い。
韓国メディアによると、救助された乗客は「ドーン」という音を聞いており、何らかの衝突があったとみられている。
しかし、韓国の国立海洋調査院によると、沈没現場周辺の水深は27~50メートル。目立った暗礁はない。他の船舶との衝突も疑われるが、16日午前、現場周辺は視界も良好で波高は約1メートルと、航行の安全を脅かす自然環境でもなかったという。
韓国メディアが韓国海洋警察などの情報として当初伝えたところではセウォル号は午前8時58分ごろ、遭難信号を発信したとされる。海洋警察が遭難信号を受信する約1時間前、地元の漁民が沈没海域に止まっていたセウォル号を目撃している。
漁民は午前8時30分ごろ現場海域を離れており、証言が事実ならセウォル号は何らかの異常が発生して、停船。その後、浸水が始まり、遭難信号から約2時間20分で転覆、沈没したことになる。この間の船内での対応も、検証の焦点となりそうだ。韓国政府は17日から船体の引き揚げ作業に着手する方針だ。
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