【ウクライナ情勢】
親露派、警告射撃 OSCEメンバー 半島入りまた妨害
2014.3.9 10:09 [ロシア]
【シンフェロポリ(ウクライナ南部)=内藤泰朗】ウクライナ南部クリミア半島に入ろうとした欧州安保協力機構(OSCE)のメンバーらが8日、半島の入り口で親ロシア部隊に阻止された。部隊は空中に向け警告射撃したという。負傷者はいなかった。AP通信などが伝えた。人権状況を調査するため現地入りを目指すOSCEのメンバーは、3日連続で半島入りを拒否された。
一方、ロシア側部隊は7日夜、半島の軍港セバストポリ郊外のウクライナ軍防空部隊に現れて投降を求めたが、軍はこれを拒否した。ロシア側は圧倒的な武力で威嚇し実効支配を進めているが、一部のウクライナ軍は抵抗を続けている。
セバストポリからの報道では、自動小銃などで武装したロシア側部隊20人がロシアナンバーの軍用トラック2台に分乗し、ミサイル防空部隊2355に乗り付けた。ロシア側部隊は警備のウクライナ軍兵士と押し問答の末、施設内に突入。隊長に武装解除し、基地を明け渡すよう求めたが、拒否されて立ち去った。
ウクライナ空軍基地はすでに占拠されたほか、海軍参謀本部もロシア側部隊が掌握した。しかし、セバストポリの海軍の艦船の乗組員らもまだ投降していない。
自治共和国政府のアクショノフ首相はすでに、ウクライナ軍を「違法外国軍」と呼んで揺さぶりをかけている。だが、ヘーゲル米国防長官は7日、ウクライナ軍がそんな挑発に乗らず、「抑制した行動をとっている」と称賛した。