NHK会長「慰安婦解決済み」発言に菅長官理解 「政府見解と合致」
2014.1.27 12:45 [官房長官]
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は27日の記者会見で、NHKの籾井勝人(もみい・かつと)会長が就任会見で慰安婦問題を「日韓基本条約で国際的に解決している。なぜ蒸し返されるのか」と述べたことについて「政府見解も明確だ」と理解を示した。
政府は、慰安婦問題が昭和40年の日韓基本条約に合わせた日韓請求権協定で「完全かつ最終的に消滅した」との立場で、籾井氏の発言は政府見解に合致しているとみて、問題視しない考えだ。
菅氏は、籾井氏がNHK国際放送で竹島(島根県隠岐の島町)などの領土問題に関し「明確に日本の立場を主張するのは当然だ」と発言したことにも、NHKの国際番組基準で「わが国の重要な政策、国際問題に対する公的見解並びにわが国の世論の動向を正しく伝える」と明記していることを紹介。「公的見解」が「政府の見解」にあたるとの認識を示し、「放送法と国際番組基準を順守することが重要だ」と強調した。
籾井氏が就任会見で個人的見解と断った上で慰安婦が「どこでもあった」と述べたことには、「その後『取り消す』と言っており、問題ない」と語った。同時に「籾井氏は最初(の会見)で戸惑ったのではないか。NHK会長としての記者会見に個人の発言はない」とも指摘した。
一方、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は27日、籾井氏の発言について記者団に「なんら問題がない。まさに正論だ」と理解を示した。