2013年5月20日 15:41更新
日産自・三菱自が新型軽自動車生産開始、4強の一角へシェア20%目指す
日産自・三菱自が新型軽自動車生産開始、4強の一角へシェア20%目指す
[倉敷(岡山県) 20日 ロイター] 日産自動車<7201.T>と三菱自動車工業<7211.T>は20日、三菱自の水島工場(岡山県倉敷市)で新型軽自動車の生産開始式典を行った。
三菱自の益子修社長は式典のあいさつで、2011年に協業を開始した時は3強の一角を占めたいとしていたが、すでにホンダが3強に入っていると指摘。「われわれは4強の一角を目指していく」と述べた。
生産を始めたのは室内空間の広い「ハイトワゴン」と呼ばれるセグメントの軽自動車。両社が11年に共同出資会社を設立し、商品企画や開発などを行ってきた。新型車は三菱自が生産を担当し、6月から三菱自が「eKワゴン」、日産自が「DAYZ」という車名でそれぞれ売り出す。
水島工場の生産台数は軽自動車以外の「登録車」も含めて12年度に約23万台だったが、軽自動車の生産開始により13年度は約35万台まで増える。増加分のほとんどが軽自動車だとしている。
式典後の会見で三菱自の益子修社長は、軽自動車で協業することにより規模の経済を享受できる、と説明。それぞれの知見や経験をお互いに取り入れることで「市場で先行する他社に伍して戦える商品を手に入れた」と述べた。その上で、日産自、三菱自の合計で中期的に20%の市場シェアを占めたいとの考えを示した。
日産自の志賀俊之最高経営責任者(COO)は、02年に軽自動車の販売に参入したものの、OEM(相手先ブランド生産)調達による販売だったため、顧客の声を反映できなかったと述べた。軽自動車市場は車両の性能進化に伴って急速に拡大しており「真剣勝負で挑むべき市場である」との考えを示した。
車両の小型化やエコカー需要の高まりを受け、軽自動車市場は拡大しており、現在、新車販売全体の約4割を占めている。12年はダイハツ工業<7262.T>、スズキ<7269.T>の2強に対して、「N」シリーズを投入したホンダ<7267.T>が販売を伸ばし3強の一角を占めるようになった。13年は日産自、三菱自の新型車投入で、さらに競争は激化する。
(ロイターニュース 杉山健太郎)