検察史上最悪の不祥事とされている大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件に絡み、組織内部で隠蔽(いんぺい)を図った
降って湧いた民主主義なだけに。北朝鮮を笑えない部分があります。この意味,分かる人いるかな。(自覚または自立している人はわかるだろうけど。【注】ある範囲の人たちへの呼びかけです。)
ここまで来た以上,手ぶらでは帰れない。冥土の土産にもらって帰ります。
以前,せっかく来た以上,手ぶらでは帰れない。というと,スーパーに買い物に来た,おばさんみたいなことを言うなぁと,言われました・・・。
【大阪地検犯人隠避あす判決】
(1)「涙の電話」の相手は? 故意の認識めぐり真っ向から対立
2012.3.29 07:37 (1/9ページ)[元特捜部長vs検察]
検察史上最悪の不祥事とされる大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件に絡み、組織内部で隠蔽(いんぺい)を図ったとして、犯人隠避罪に問われた元特捜部長、大坪弘道被告(58)と元副部長、佐賀元明被告(51)の判決公判が30日、大阪地裁(岩倉広修(ひろみち)裁判長)で開かれる。
検察側がそれぞれに懲役1年6月を求刑したのに対し、両被告は「故意の改竄ではなく、ミスだと聞いた」と無罪を訴えた。そこで焦点となったのは、佐賀被告が人目もはばからずに泣いた、ある夜の1本の電話だ。検察側は改竄を行った元主任検事、前田恒彦受刑者(44)=実刑確定=からの告白の電話だと主張。一方の弁護側は「電話の相手は別の検事だった」と反論し、法廷では捜査のプロ同士が真っ向から対立した。果たしてどちらの主張が真実なのか。攻防の中心人物の証言から振り返る。
ぎ、山本勘助は80日で普請したという。
(1)「涙の電話」の相手は? 故意の認識めぐり真っ向から対立
2012.3.29 07:37 (2/9ページ)[元特捜部長vs検察]
「“涙の電話”相手は別の検事」佐賀元明被告
「電話の相手は別の検事だった」
佐賀被告は被告人質問でこう述べ、22年1月30日夜に電話で話した相手は、東京出張中のA検事だったと説明した。前田受刑者からの改竄の告白は「ない」と否定。検察側の構図は、通話先を誤った完全な見立て違いだ、と指摘した。
「A検事は泣いて『前田さんが悪いんじゃない。僕が悪いんです』と言っていた。自分の取り調べが原因で、前田受刑者が改竄したと考えていたようだ」
この時点の佐賀被告の認識はまだ「改竄疑惑」の段階でしかなかったが、A検事と話すうち「私自身も泣けてしまった」という。国井検事らが証言した「涙の電話」は、このシーンの勘違いというわけだ。
その主張を裏付けるのが、当時作成していた詳細な執務記録やメモの数々。上司に報告すべき事柄が事細かに記されているが、「告白」はどこにも出てこない。
前田受刑者と改竄についてやり取りしたのは、翌2月1日が初めてだったという。佐賀被告の公判供述によれば、前田受刑者は一貫して「ミス」と訴えた。
(1)「涙の電話」の相手は? 故意の認識めぐり真っ向から対立
2012.3.29 07:37 (3/9ページ)[元特捜部長vs検察]
「本当のことを話してほしい」
「データを確認しようとして間違っていじった可能性がある。ミスです」
「国井検事は意図的に書き換えた、と」
「それは冗談です。ふざけて言ったんです」
一方の検察側も佐賀被告の執務記録に「客観証拠に作為を加えた」という記述があることから、改竄を認識していたとしか思えないと追及した。
検察側の証人に回ったかつての部下にも、穏やかな表情で相対した佐賀被告。結審後の会見では「私自身、組織の人間ならどう証言したか自信はない」と元部下をおもんぱかったが、こんな心境も吐露した。「22年間の検察官人生の末がこれか、という感じ。巡り合わせの皮肉さを考えると、つらいものがある」
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「職責を汚す理由ない」大坪弘道被告
古巣への愛着は人一倍だった。被告として法廷に立たされても、やり手の特捜検事だったプライドが言葉の端々からにじみ出た。
「改竄を隠蔽してもすぐに発覚し、検事生命に直結する。そこまでして前田と心中する動機はなく、最高検の見立ては誤りだ」
最初に改竄疑惑に接したとき「頭をガツンと殴られる思いだった」という大坪被告。即断は避け、佐賀被告に事実関係を確認するよう指示したという。佐賀被告から返ってきた報告は「ミスで書き換わった」というもの。「最悪の事態ではなかったと安堵(あんど)した」
ミスだと信じるに足る客観的事実もあった。たとえば、改竄前の正しいデータが書かれた捜査報告書の存在だ。「報告書があるのにデータを改変して何の意味があるのか。『頭隠して尻隠さず』だ」
(1)「涙の電話」の相手は? 故意の認識めぐり真っ向から対立
2012.3.29 07:37 (5/9ページ)[元特捜部長vs検察]
部下に箝口(かんこう)令を敷いたとされる点も「危機管理上、情報拡散を防ぐため。隠蔽の意図はない」と否定。国井検事が証言した「ミステークで行く」という発言について、弁護側は「『前田がミステークと言っているが、どう思う』と尋ねただけ」とした。
佐賀被告から改竄の報告を受け、その場でもみ消しを指示したとされる検察側の主張に対しては、最終弁論で「たった5分間で重大な決断ができるはずがない」と反論した。
大坪被告は最終意見陳述でも元検事の自負を強調し無罪を訴えた。「検事生命と誇りを犠牲にしてまで職責を汚す理由はない」
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「佐賀被告、男泣きしていた」国井弘樹検事
「『ちくしょう、何で前田はこんなことをしちまったんだ』と男泣きしていた」
迫真性豊かなエピソードで佐賀被告の“狼狽(ろうばい)ぶり”を証言したのは、当時刑事部に所属していた国井弘樹検事(37)だった。
国井検事に対しては、証人尋問としては最長となる計4開廷分の審理日程が割かれた。そこまで注目を集めたのは、佐賀被告の改竄認識の「決定的瞬間」にかかわる証人だからだ。
平成22年1月30日夜、大阪地検庁舎内。検察側は土曜日にもかかわらず登庁した佐賀被告が前田受刑者から電話を受け、データ改竄を直接告白されたと主張。その場に居合わせた目撃者こそ国井検事だったと位置付けた。そのときの様子が冒頭の「涙の電話」だ。
(1)「涙の電話」の相手は? 故意の認識めぐり真っ向から対立
2012.3.29 07:37 (7/9ページ)[元特捜部長vs検察]
国井検事はさらに、翌2月に改竄を知った大坪被告から「ミステーク(過失)で行く」ともみ消しを指示されたとも語った。 一方、告白電話そのものを否定する弁護側は、国井検事の証人としての「資質」を追及。前田受刑者から改竄を直後に打ち明けられていながら半年間内密にした負い目があり、最高検が描く構図になりふり構わず追従したと指摘した。
さらに国井検事が同僚に送った次のようなメールも証拠提出し、証言の信用性を徹底的に揺さぶった。
「言ってもいないことをPS(注・供述調書のこと)にするのはよくある。前田を糾弾できるほどきれいなことをしてきたのかと考えると分からなくなる」
(1)「涙の電話」の相手は? 故意の認識めぐり真っ向から対立
2012.3.29 07:37 (8/9ページ)[元特捜部長vs検察]
「元副部長は完全にアウト」前田恒彦受刑者
改竄の張本人である前田受刑者は、かつての上司の身上を思い、法廷で涙ながらに訴えた。「2人を被告席に座らせることになったのは、ばかな私が改竄をしたから。罪人の私が言う筋合いではないが、2人には寛大な判決を出してほしい」
本心から出た言葉か、ポーズなのかは分からない。ただ、全面否認を続ける大坪、佐賀両被告にとっては“挑発”とも取れる発言だった。事実、証人としての前田受刑者の主張は、両被告と真っ向から対立した。
まず、改竄告白の電話について「故意の改竄だとはっきり伝えた。佐賀被告は泣きながら『何とか前田を守りたい』と言ってくれた」と証言。この後、両被告から過失で書き換わったと説明するようもみ消しを打診され、「乗るべきではない助け舟に乗ってしまった」と振り返った。
1)「涙の電話」の相手は? 故意の認識めぐり真っ向から対立
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ただ、打ち明けた当初は「刑務所行きも覚悟した」としながら、あっさり隠蔽の指示に従った理由は明確ではない。弁護側は前田受刑者が両被告に「ミスだった」と嘘をつき、「改竄を闇に葬ろうとした」とみる。
「証拠10枚のうち7枚が有利で3枚が不利だったとすると、相手に有利なカードを出さないのが刑事裁判の実態。私も検事をやっていて、感覚がずれた」
前田受刑者は法廷で「検察のやり口」を平然と語り、法曹関係者を驚かせた。実刑判決を受けた今はすべてをさらけ出し、真実だけを述べているのだろうか。前田受刑者は争点の告白電話について、重ねて強調した。
「自分の供述だけなら『嘘』で済まされるが、同僚も横で聞いていたなら、佐賀さんは完全にアウト(有罪)」
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(2)発端の郵便不正事件の構図は完全破綻、有罪は1人だけ
2012.3.29 11:07 (1/2ページ)[元特捜部長vs検察]
一連の不祥事の発端となった郵便不正事件では、厚生労働省元局長、村木厚子さん(56)以外にも次々と無罪が言い渡され、有罪が確定したのは実行犯である同省元係長(42)だけ。前田恒彦受刑者が押収品のFDのデータを改竄してまで固執した事件の構図は、完全に破綻した。
事件では4人が逮捕・起訴されたが、村木さんが22年9月に、障害者団体「凛の会」の元会長(76)は昨年3月に、それぞれ無罪が確定。同会発起人(71)にも今月22日、大阪高裁で逆転無罪が言い渡され、検察側は上告を断念する方針を示している。唯一、有罪が確定した同省元係長(42)に対する判決も、検察の捜査や公判での対応を厳しく批判した。
一方、捜査する側の主任検事だった前田受刑者は証拠隠滅罪で懲役1年6月の実刑が確定し、服役した。しかし過去に担当した事件の取り調べをめぐり、相次いで証人出廷。昨年12月には陸山会事件の民主党元代表、小沢一郎被告(69)の公判で、「当時の捜査には問題があった」と東京地検特捜部の捜査を批判した。関係者によると、今春中には刑期を終えて出所する見通しだという。
(2)発端の郵便不正事件の構図は完全破綻、有罪は1人だけ
2012.3.29 11:07 (2/2ページ)[元特捜部長vs検察]
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【用語解説】大阪地検特捜部の押収資料改竄・犯人隠避事件
障害者団体向け割引郵便制度の証明書を偽造したとして、大阪地検特捜部は平成21年6月、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で厚生労働省局長だった村木厚子さんを逮捕。しかし22年9月の無罪判決の直後、押収品のフロッピーディスク(FD)のデータが検察側の事件の構図に合うよう書き換えられていたことが判明した。最高検は証拠隠滅容疑で主任検事だった前田恒彦受刑者=懲役1年6月の実刑確定=を逮捕。さらに同10月、改竄を隠蔽したとする犯人隠避容疑で元特捜部長の大坪弘道被告と元副部長の佐賀元明被告を逮捕した。
(3)傍聴し続けたジャーナリスト、江川紹子さん「最高検、認識ズレてる」
(3)完「判決で幕引き、許されない」ジャーナリストの江川紹子さん
2012.3.29 13:42 (1/2ページ)[元特捜部長vs検察]
故意の改竄であろうと過失であろうと、フロッピーディスクのデータが検察側の見立てと違っていた時点で、厚生労働省元局長、村木厚子さんは無実と分かったはず。この事件は単なる不正の隠蔽ではなく、検察が身内をかばって無実の人を犯罪者にすることに全力を挙げた組織的な犯罪だ。
公判を傍聴して、結局は冤罪(えんざい)を作ったチームの仲間割れに見えた。ではどちらの証言が信じられるのか。自身の有罪が確定した前田恒彦受刑者には失うものがない。前田受刑者と国井弘樹検事の証言すべては信用できないまでも、骨格は他の検事の証言とも一致している。佐賀元明被告の方が違和感は大きかった。
ただ、最高検は大坪弘道、佐賀両被告を厳しく批判しながらも、求刑は犯人隠避罪の上限である懲役2年ではなく、1年6月にとどめた。そのあたりに事件の重大性に関する最高検の認識のずれが現れている。
それぞれの検事は能力高いが、組織としては…
(3)完「判決で幕引き、許されない」ジャーナリストの江川紹子さん
2012.3.29 13:42 (2/2ページ)[元特捜部長vs検察]
結局、最高検は組織としての問題に切り込まずに、前田受刑者、大坪被告、佐賀被告という悪い検事が3人いた、という構図に矮小(わいしょう)化した。あるいは大阪特捜の問題だと特殊性に押し込めようとした。そうではないことは、陸山会事件の虚偽捜査報告書問題からも明らかだ。
ただ、個々の検事はまじめで能力も高い。事件をきっかけに始められた検察改革には評価できる面もある。両被告への判決が有罪、無罪いずれであっても、これで幕引きにしてはならない。(談)