"ノンアル"花盛り 飲食業界、顧客取り込み図る
(2013/2/25 16:01)
女子会ブームや好みの多様化などを受け、ノンアルコール飲料の人気が県内でも拡大している。飲食店で季節に合わせたノンアルコール飲料を提供したり、メーカーが新商品を開発したりして、顧客の取り込みを図っている。
桃とザクロのインペリアル、完熟ミカンのミモザ―。静岡市の飲食店「炙の介」は味も色も通常のカクテルそっくりのノンアルコールカクテルを提供している。近年、女性客を中心に注文が増えた。
経営するなすびの藤田尚徳専務は「若者のアルコール離れや個人の好みを大切にする風潮からノンアルコールの人気が上がっている」と話す。3月改装オープンする新店では、ノンアルコール飲料を2倍に増やす予定だ。
結婚式場の出雲殿浜松(浜松市)は季節に合わせたノンアルコールカクテルを紹介する。イタリア料理店のアルポルト静岡(静岡市)でも、2月には雪化粧の富士山をイメージしたノンアルコールカクテルなど月替わりの品を用意している。
飲料メーカーも、ノンアルコール商品を次々と提供している。木村飲料(吉田町)は14日、業界初のペットボトル入りノンアルコール飲料を発売した。味覚と香りでアルコールの雰囲気を楽しめるよう工夫した。担当者は「女子会やママ会などで女性も飲酒を楽しむ時代。お酒を飲める人も飲めない人にもノンアルコールの需要があるのでは」と話す。
黒ビール風のノンアルコール飲料を発売したサッポロビールの寺坂史明社長は「ノンアルコールビールの販売は3年目で、勝負の年。市場はまだ広がっていくのでは」とみている。
<メモ>ノンアルコール飲料は2009年にキリンビールが発売したビールテイスト飲料のヒットで本格的に普及し、3年後には10倍以上の規模に拡大した。木村飲料が20〜40代女性100人に12年に行ったアンケート調査では、普段酒を飲まないと答えた3割のうち約8割がノンアルコール飲料を買うと回答。酒を飲むと回答した人の6割もノンアルコールを買うと答えている。